繁忙期でもコストを抑えて緊急便を使う方法

年始やセール期などの繁忙期は、どうしても「緊急便」の出番がふえます。
在庫が足りなくなったり、取引先からの急な追加オーダーが入ったりして、
- 「今日中にどうしても届けたい」
- 「この時間までに届かないとラインが止まる」
という状況になりやすいからです。
ただしご存じの通り、緊急便は通常の配送よりどうしてもコストが高くなります。
とくに繁忙期はドライバーや車両も取り合いになるため、「想定以上の料金になってしまった」という声も少なくありません。
そこで今回は、
- なぜ繁忙期の緊急便は高くなりやすいのか
- それでも“必要なときだけ、なるべく安く”使うためにはどうしたらよいか
というポイントを、荷主企業の視点で整理していきます。
なぜ繁忙期の緊急便は高くなりやすいのか
まずは、前提となる「価格の仕組み」をおさえておきましょう。
繁忙期に緊急便の単価が上がるのには、いくつかの理由があります。
特別手配のコストが上乗せされる
緊急便は、ふつうのルート配送や路線便とちがい、
- ドライバーのスケジュールをさしかえる
- すぐに動ける車両をさがす
- 直行チャーターで動く
といった“特別なオペレーション”が必要になります。
とくに繁忙期は、空いている車両自体が少ないため、
「スケジュールをずらして対応してもらう=追加コストがかかる」構造になりやすいのが実情です。
空車の移動(回送距離)が長くなりやすい
緊急便の料金には、「荷物を積む前に車両が走る距離」も含まれます。
- 近くに空いている車両がいない
- べつの現場から回送してもらう
といった場合、その分コストが上乗せされます。
繁忙期は、そもそも“近くに空車がない”というケースがふえます。
その結果、回送距離が長くなりやすく、料金も高くなりがちです。
時間帯・エリアの制約が厳しい
「午前中必着」「閉店前までに」「工場の稼働時間内に」など、
繁忙期ほど時間の制約がきつくなります。
さらに、
- 都心部の渋滞
- 雪・雨などの天候
- 高速道路の混雑
なども重なり、「その時間に確実に届けるためのリスク」が料金に反映されます。
直行チャーターが基本になる
緊急便は、路線のターミナルで積み替えるのではなく、
「集荷場所 → 納品先」をほぼ直行で走ることが多くなります。
- 積み替えの時間を省く
- 遅延のリスクを減らす
ためには、とても合理的な方法ですが、
そのぶん 1台の車両を“その案件だけ”に使うことになり、相対的にコストは高くなります。
コストを抑えて緊急便を使うための基本方針
それでも、ビジネスを止めないために緊急便が必要な場面は必ず出てきます。
そのとき、大切になるのが「使い方の設計」です。
すべてを“緊急扱い”にしない
繁忙期の現場では、どうしても
「とりあえず全部“最優先・最速”で!」
となりがちです。
しかし、これをやるとコストは一気にふくらみます。
そこで、荷物ごとに次のような分類をしてみるのがおすすめです。
- 絶対に時間を守りたい荷物
- 少し時間にゆとりがある荷物
- 別日の納品に回しても問題ない荷物
この「優先度づけ」をしておくだけで、
本当に緊急便が必要な荷物がどれなのか、ラインが見えてきます。
通常便と緊急便を“組み合わせて”使う
すべてを緊急便で送るのではなく、
- 大半は路線便や通常便で手配
- どうしても足りない部分だけを緊急便でカバー
という組み合わせにすることで、トータルのコストはかなり変わります。
たとえば、
- 店舗在庫のベース分は、事前にまとめて通常便で入れておく
- セール当日の“欠品防止用”だけ、緊急補充用に枠を残しておく
といったイメージです。
「1件の送料」ではなく「失う損失」で見る
緊急便の見積もりを見ると、どうしても
「1回の送料が高すぎるのでは?」という感覚になりがちです。
ここでいちど視点を変えて、
- 欠品によって失う販売額
- 納期遅延による違約金や信頼低下
- 生産ラインが止まった場合の機会損失
などをざっくり数字にしてみると、
「この場面では、多少高くても緊急便を使うべきだ」という判断がしやすくなります。

▼ 繁忙期の「どこまで緊急便を使うべきか」を整理したい企業様へ
サポロジでは、現在の配送体制をヒアリングし、
緊急便と通常便のバランスを含めた提案も行っています。
実務で使える“コストを抑える工夫”
ここからは、現場で実際に使いやすいコストダウンの工夫を紹介します。
まとめられる荷物は“ひとつの緊急便”にまとめる
緊急便は「1回ごと」にコストが発生します。
そのため、
- 同じ方面への荷物がいくつかある
- 時間帯がおなじ納品先が複数ある
といった場合は、できるだけまとめて積むことがポイントです。
たとえば、
- A店・B店・C店が同じエリアにあるなら、それぞれ別便ではなく、1台のチャーターで順番に回る
という形にするだけでも、 1件あたりの負担はおさえられます。
集荷・納品の時間帯に“幅”をもたせる
「17時ぴったり必着」のように時間をきつくしぼると、
使える車両がどうしても少なくなります。
- 「17〜18時のあいだに」
- 「開店前までに届けばよい」
- 「午前中であれば時間指定なし」
といったように、時間の“ゆとり”を伝えられると、
より多くの車両から選べるようになり、その結果としてコストも下げやすくなります。
ハブ拠点を使って“途中までまとめる”
すべてを「本社 → 各拠点」に直行させると、どうしても距離が長くなりがちです。
- 途中の倉庫や営業所で荷物をまとめる
- 一度まとめて運び、そこから先は別の便で配る
といった“ハブ&スポーク”の発想を取り入れると、
緊急便が走る距離そのものを短くできる場合があります。
たとえば、
- 首都圏の複数店舗向けの荷物を、いちど関東の共通倉庫に集める
- そのあと、倉庫から近い順に軽貨物で回る
など、ルートを分解して組み立て直してみるのがポイントです。
荷物に合った車両をえらぶ
「とりあえず大きめのトラックで」という発想だと、
必要以上にコストがかかってしまうことがあります。
- ダンボール数箱なら軽バンでじゅうぶん
- 小口の書類・サンプルだけなら、バイク便の方が安い場合もある
- 重量物やパレット単位なら、逆にトラック前提で考えるべき
というように、荷物の中身・大きさ・重さに合わせて、
いちばんムダのない車両を選ぶことが大切です。
「片道だけ緊急」「戻りは通常」で考える
すべての工程を緊急便で組む必要はありません。
- 行き(納品)は緊急チャーター
- 戻りの荷物は通常便や別ルートで回収
という形に分けることで、トータルのコストをおさえられることもあります。
往復をまとめて考えるのではなく、
「どこまでを緊急でやるべきか」を分解してみると、
意外と節約の余地が見えてきます。
▼ 緊急便のルート設計や車両選定も相談したい場合
サポロジでは、「まとめ方」「車両のえらび方」などもふくめてご提案しています。
ただ手配するだけでなく、ムダなコストを減らす前提で一緒に考えていくスタイルです。
見積もりの取り方と、コストを下げるための伝え方
緊急便の見積もりをとるときの「情報の出し方」でも、コストは変わってきます。
条件をできるだけ整理してから依頼する
情報があいまいなままだと、
- 余裕をみた“高めの見積もり”になりやすい
- あとから条件が変わって再見積もりになる
といったことが起きがちです。
依頼前に、次の項目だけでも整理しておきましょう。
- 荷物の中身・サイズ・重さ・個数
- 集荷場所・納品先の住所
- 希望納品時間(幅をもたせられるか)
- 特別な取り扱いが必要かどうか
ここまでわかっていると、配送側も判断しやすくなり、
ムダな“安全マージン”を乗せずにすみます。
「時間」と「価格」のバランスを相談する
見積もりを見て「高い」と感じたときは、
ただ値下げをお願いするのではなく、
- 「もう少し到着時間をゆるめると安くできるか」
- 「車種を変えることでコストを下げられないか」
- 「経由ルートを変えた場合の案も見てみたい」
といった形で、条件そのものをいっしょに調整してもらうのが現実的です。
時間・ルート・車種のどこを動かせるかを共有すると、
「別案ならこのくらいまで下げられます」という提案が出てくることもあります。
単発ではなく「今後もお願いしたい」意思を伝える
緊急便の現場では、どうしても「単発勝負」のイメージが強いですが、
配送会社から見ると、一度だけのスポット案件より繰り返し発生する案件の方が、スケジュールや体制を組みやすくなります。
そのため、
- 年末は毎年この時期に同じような緊急案件が出る
- 今回うまくいけば、来年以降も同じスキームでお願いしたい
といった情報を伝えておくと、
中長期の関係を前提に、価格の相談もしやすくなります。

社内のオペレーション見直しで“ムダな緊急便”を減らす
コストを抑えるには、「そもそも緊急便にしなくてよかった案件」を減らすことも大事です。
過去の緊急案件をふりかえってみる
まずは、ここ数年の繁忙期をふりかえってみましょう。
- どんな理由で緊急になったのか
- どこの部署・取引先で多かったのか
- 発注や情報共有のどこで詰まっていたのか
を、ざっと棚おろししていきます。
「実は社内の承認が遅れたせいで緊急になっていた」
「発注の締め時間が現場の実情に合っていなかった」
など、原因のなかには“社内で解決できるもの”も少なくありません。
発注締切やカットオフ時間を見直す
繁忙期は、ふだんよりリードタイムが伸びるのが前提です。
それにもかかわらず、ふだんと同じ締切で発注していると、
どうしても「間に合わず緊急」が増えてしまいます。
- 年末だけ締切時間を前倒しする
- セールやキャンペーン前は、いちど締切ルールを共有し直す
といった工夫をするだけでも、“ギリギリ案件”はかなり減ります。
緊急依頼のテンプレートを用意しておく
担当者ごとに依頼のしかたがバラバラだと、
毎回ヒアリングに時間がかかり、そのぶん料金にもひびきます。
- 荷物情報
- 住所
- 時間帯
- 取り扱い条件
- 優先度
などをまとめた「緊急依頼テンプレート」を用意しておくと、
社内の誰が対応しても、同じレベルの情報を渡せるようになります。
緊急便に強いパートナーと“普段から”つながっておく
最後に、パートナー選びについてです。
繁忙期まっただなかで、新しい配送会社を一からさがして、
条件を説明して、見積もりをとって…というのは、現実的ではありません。
- ふだんから緊急便に対応しているか
- 繁忙期の実績がどれくらいあるか
- 自社の商材や業界のことを、ある程度理解してくれているか
こうした点をふだんから確認しておき、
「困ったときにまず相談できる相手」をつくっておくことが、
結果的にコスト削減にもつながります。
まとめ:緊急便を“戦略的に使えるかどうか”が繁忙期の差になる
繁忙期の緊急便は、どうしても通常よりコストがかかります。
しかし、
- どこまでが本当に緊急なのかを見きわめる
- 通常便と緊急便を組み合わせて使う
- ルートや車両のえらび方を工夫する
- 社内のオペレーションを見直して、ムダな緊急案件を減らす
といった対策をとることで、「必要な場面だけ、最小限のコストで」緊急便を使えるようになります。
緊急便は“最後の手段”ではなく、
うまく使えば「販売機会を守るための強い武器」になります。
そのためにも、
- 事前の準備
- 情報整理
- 信頼できるパートナーとの連携
をととのえておくことが、繁忙期の物流戦略のカギになってきます。
▼ 繁忙期に備えて、緊急便の使い方を見直したい企業様へ
サポロジは、軽貨物を中心とした緊急配送ネットワークで、
「どこまで緊急便にするか」「どうすればムダなコストを減らせるか」をふくめてご相談をお受けしています。

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